日本だけではなく世界各地で、いろいろな「生物」あるいは「昆虫」が食用されて来たのをご存知でしょうか。日本に限っていえば、「ざざむし」「イナゴ」などがそれに当たります。今も現に「生物」あるいは「昆虫」を食してる地方はありますが、しかし一般的な「衛生的」で「見栄えの良い」加工食品に慣れた現代人の目からすればかなり異形の食べ物のような気もするかもしれません。しかし、「生物」あるいは「昆虫」はすべて過去の経験と知恵によって、身近な生き物の中で栄養豊富なものを選別して食べてきた、まさに「天然の栄養食品」なのです。ここで挙げる蜂の子もその1つです。ざざむしややイナゴは、カルシウムやタンパク質の補給という面が大きかったですが蜂の子の場合はそれだけではありません。蜂の子の場合はもっと健康に関してアグレッシブな効果を持つ、まさに神様のくれたサプリメントだといえるのです。
そこでここで、蜂の子の持つ天然の栄養成分と、それのもたらす滋養強壮を中心にした効果についてしっかりご紹介します。
蜂の子とは
ではそもそも蜂の子は日本でどのように食用にされてきたのでしょうか。その歴史を最初に辿ってみます。
蜂の子の種類とは
「蜂の子」とは、まさに蜂の子ども、つまり蜂の幼虫やサナギのことです。したがって蜂もミツバチ、スズメバチ、クロスズメバチ、アシナガバチ、クマバチなどのすべての蜂の幼虫やサナギは「蜂の子」です。その中で特にミツバチはローヤルゼリーや蜂蜜など、人の役に立つミツバチ産品を作る益虫として重視され、そのオスの幼虫が「蜂の子」として用いられています。
伝統食としての蜂の子の歴史
蜂の子を食用にするのは日本だけではなく古来よりルーマニア、タイ、メキシコ、エクアドルなど、アジアのみならず、ヨーロッパや南米などでも貴重なタンパク源として重用されてきました。現在でも特にタイでは非常に一般的な食材で、一流ホテルのメニューとしても調理されています。
日本では1919年に「昆虫食に関する調査」が行われ、そこでは全国的に食用とされているのがスズメバチの幼虫、そして食べ方としては埼玉県では炭火で焙ったものに醤油や味噌をつけて食べる、岡山県では生のまま、あるいは醤油で付け焼きや煮付けにして食べる、鹿児島県では鍋で煮込んで食べる、など多様に用いられていることがわかりました。現代でも、特に、長野県、岐阜県、愛知県を中心に重用されています。
薬としての蜂の子の歴史
蜂の子は、食用だけではなく古くから薬としても利用されてきました。約2000年前の中国最古の薬物学書である「神農本草経」には蜂の子が「蜂子(ホウシ)」として、生命を養い身体を軽くし元気を増し不老長寿の作用がある「上品」にランク付けされています。さらに具体的には「頭痛」「内臓障害」に効果があるとされ、「長期間の服用で皮膚に光沢が出て顔色がよくなる」「老衰しなくなる」などまさにアンチエイジング効果もうたわれています。
そのほか中国だけではなく世界30か国以上で蜂の子は健康食品の1つとしてアピセラピー(ミツバチ産品を用いた治療)にて利用されているのです。決して昔の学者にだけではなく、現代の医師、生化学者、薬剤師数百名の臨床試験によっても蜂の子には、病後の回復、くる病、倦怠、神経衰弱、心臓疾患、腎臓疾患、精力減退に効果があるとされているのです。
蜂の子の成分は
ではなぜ蜂の子にはこのようなすぐれた薬効があるのでしょうか。それは蜂の子の持つ栄養成分に秘密があります。
ミツバチの蜂の子の栄養成分を解析すると、タンパク質、脂肪、炭水化物が豊富に含まれ、ビタミン、ミネラル、脂肪酸、さらにヒトの体内では合成できない必須アミノ酸が含まれることが分かっています。さらにそれ以外にも多くの栄養素が含まれています。全てを挙げると難十種類にもなりますから、主だったものを100gに含まれるmg単位の量で挙げておきます。
ビタミンC 3.80
ビタミンB2 0.91
ナイアシン 3.67
パントテン酸 1.19
コリン 168.4
カリウム 269
リン 179
マグネシウム 21.1
カルシウム 13.8
ナトリウム 12.8
亜鉛 1.60
必須アミノ酸
ロイシン 0.66
リジン 0.58
バリン 0.49
イソロイシン 0.43
フェニルアラニン 0.33
トレオニン 0.31
ヒスチジン 0.22
メチオニン 0.20
トリプトファン 0.09
タウリン 0.031
グルタミン酸 1.29
グリシン 0.41
アルギニン 0.40
1つ1つの効能は割愛しますが、どの成分も何かのサプリメントを購入しようとした場合に、パッケージに大きく書かれるなど強調されるほど健康効果の高い栄養成分ばかりです。
蜂の子の滋養強壮効果とは
以上の栄養成分のうち、以下のものは特に蜂の子の滋養強壮効果を実現します。
必須アミノ酸
必須アミノ酸は身体の中で産生することができないため、何らかの食品やサプリメントで外から補給してあげる必要ののある成分です。それでいて、身体の原料となり、身体を強くするタンパク質を生成するには必須の成分です。蜂の子にはその必須アミノ酸の9種類がしてて含まれています。その中でも特に以下の必須アミノ酸は、滋養強壮に最も効果が高いものです。
BCAA
BCAAとは、必須アミノ酸の中のバリン、ロイシン、イソロイシンの3つのことです。BCAAは、人間の筋肉を構成するタンパク質のうち約35%も占めます。そして筋肉を動かすエネルギーになり、あるいは激しい運動で傷ついた筋肉の修復やその後の増強に非常に効果があります。
アスパラギン酸
アスパラギン酸は、必須アミノ酸ではありません。しかし運動をして筋肉に溜まり、疲労の原因となる乳酸を分解するので疲労回復に非常に役に立ちます。また普段は使われず体内に蓄積されているグリコーゲンという物質が必要に応じてエネルギーに変換する時にも必須の成分です。つまり、元気に活動し、活動後の疲労を解消するうえで重要な成分なのです。
ビタミン
ビタミンも身体や精神の疲労回復のためには必須の成分です。蜂の子には、そのビタミンが9種類含まれています。その中で特に疲労を回復し、滋養強壮効果を発揮するビタミンをご紹介します。
ビタミンB1
ビタミンB1は、食品などでとった糖分、つまりブドウ糖をエネルギーに変える成分です。したがって、身体や脳や内臓を動かk素まさに原動力となる成分です。
ビタミンB2
ビタミンB2は糖分以外の、炭水化物、タンパク質、脂質をエネルギーに変えます。特に身体に溜まった脂肪を燃焼してエネルギーや骨や筋肉に変える上では欠かせません。それを推し進めて言えば、ダイエットにも効果のある成分ということになります。
ビタミンC
ビタミンCは、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。活性酸素とは細胞を錆びさせる、つまり老化させる成分であり、生活習慣病やガンの原因になるといわれている物質です。ですからビタミンCを取ったからと言って、すぐにエネルギーが身体に充満するわけではありませんが、しかし長期的な健康のためには効果を大いに発揮します。
パントテン酸
パントテン酸とはビタミンB5のことです。働きとしてはビタミンB1と一緒に糖分をエネルギーに変え、ビタミンB2と一緒に脂質をエネルギーに変換する、というマルチな働きをする成分です。さらには抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンの合成を促進し、ストレスの軽減やストレス性の疲労の改善を実現します。
ミネラル
ミネラルも微量で生命の維持に貢献する成分です。しかしこれも必須アミノ酸のように体内で産生できないので、食事やサプリメントで摂取する樋具陽があります。蜂の子には、そのミネラルが8種類含まれていますが、中でもマグネシウムは、栄養をエネルギーに変える働きがあります。したがってマグネシウムが不足するとエネルギーの生産量が減り、食欲不振や慢性疲労を感じるようになります。
蜂の子には滋養強壮以外にも豊富な効果
蜂の子には以上の滋養強壮効果以外にも、非常に多くの、それも役に立つ効果があります。
耳の「聞こえ」の改善効果
また、最近蜂の子を含有しているサプリメントの多くが標榜している効果に「耳の聞こえ」がよくなる、ということがあります。
それは岐阜大学医学部附属病院青木臨床准教授のグループによる研究でも効果が立証されています。その実験では耳鳴りを伴う難聴患者に「酵素分解蜂の子」を長期間与えたところ、耳鳴りによる不安や憂鬱感といった抑うつ症状および聴こえにくさが改善されたことが明らかになっています。
そのメカニズムは実ははっきりしていません。そもそも耳鳴りの原因が、ストレスや血行不良、そしてもちろん加齢など多様なので、蜂の子のどの部分が、何の原因による難聴の改善に効果があったのかわからないからです。
ただ1つ言えるのは、蜂の子はストレスを軽減し、自律神経の乱れを整える効果があるという点です。ストレスが難聴を引き起こすこと自体はよく知られていますので、少なくともストレス要因の難聴に関しては蜂の子は効果的だといえるでしょう。
さらには配合されている亜鉛やマグネシウム、ビタミンB群は疲労を回復させるので、疲労による聴力の衰えに関しても効果があるでしょう。
老人性の難聴にも効果あり?
また加齢が亢進すると何も音が鳴っていないのに耳の奥で「キーン」とするような耳鳴りや、会話が聞こえづらくなる難聴が発症します。それは認知症の遠因にもなります。これもメカニズムは未解明ですが、蜂の子を摂取することによってこの老人性の難聴が緩和したという例も多く報告されています。
アンチエイジング効果
また聴力だけではなく、身体全体に訪れる老化の防止、老化速度の抑制にも効果があります。その効果の源は、アルギニンという成分です。老化は成長ホルモンの分泌量を減らし、それによって骨の脆弱化、皮膚のシワ、内臓の衰えなどを引き起こしますが、アルギニンは成長ホルモンの分泌を促進することで、肌の再生や、疲労回復に効果を発揮するのです。まさにアンチエイジング成分だといえます。
肌の張り、弾力の改善効果
アンチエイジングが気になる年ごろではなく、若い世代でも蜂の子の効果は発揮されます。20~30代の女性を対象とした実験によれば蜂の子配合食品の摂取によって肌の張りや弾力が改善したという結果が出てるのです。その効果の源は、1つはアスパラギンです。アスパラギンは肌の新陳代謝を促進し、肌の水分量を調節し、乾燥を防ぐので、肌の状態を若いころのように非常に良いレベルに戻し、それによってシワやたるみを防止してくれるのです。
そのほかにも保湿効果のあるセリン、コラーゲン産生に効果のあるプロリンとグリシンなどスキンケアに効果を発揮する成分を豊富に含んでいます。
髪の毛、爪の健康を保つ効果
肌だけではなく、蜂の子の成分は髪の毛や爪を健康的な状態に保ってくれます。その要因は、髪の毛と爪の材料であるケラチンというタンパク質の原料となるシスチンというアミノ酸を豊富に含んでいるからです。またチロシンというアミノ酸は白髪になることを防ぎます。
血液をサラサラにする効果
脂肪を摂取しすぎると血管にそれがコレステロールとして蓄積して高血圧や動脈硬化を招いたり、あるいは血液そのものの流れを悪化させるので、栄養が体内隅々に行きわたらなくなります。それに対して蜂の子には脂肪酸が豊富に含まれており、これがは、血液をサラサラにして血流をよくしたり、コレステロールを除去して、以上の症状を予防してくれます。
具体的に含まれる脂肪酸は、動脈硬化や心筋梗塞を予防、改善するリノレン酸、善玉コレステロールを維持・増加させしつつ悪玉コレステロールを減少させるオレイン酸、コレステロールを除去し血流を改善することで動脈硬化や高血圧を予防するリノール酸などです。
蜂の子はサプリメントでの摂取がおすすめ
飲用しやすいのはサプリメント
このように滋養強壮を始め、そのほかにも健康効果の期待できる蜂の子ですが、どのように摂取したらよいのでしょうか。
タイやメキシコ、日本の長野や愛知、岐阜などでは今でも食材として料理をして食べ、滋養強壮、健康増進に生かしていますが、見た目や食感に慣れていないと食べにくいというのも事実です。そういう点から言うと、栄養成分を抽出、精製してカプセル状にしたサプリメントが最も飲用しやすく、手軽に滋養強壮効果を得ることができるでしょう。
サプリメントで摂取するメリットは?
サプリメントで摂取するメリットは「飲みやすい」だけではありません。
- 栄養成分が安定的に摂取できる
- 調理の手間が不要
- いつでも簡単に手に入れることができる
- +αの成分が入っているものもある
まとめ
いかがですか。
まだまだ科学的には未解明の部分も多い蜂の子ですが、間違いなく肉体的・精神的疲労感、加齢などからくる身体的な悩み、あるいはストレスなどによる悩みには効果があるということがわかります。そもそもそうでなければ、これほど世界各地で2000年以上も愛用されているはずがありません。ぜひ、疲れやすかったり、身体の不調に悩む人は以上を参考に、飲みやすいサプリメント形状の蜂の子を試して滋養強壮を手に入れてみてはいかがでしょうか。